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*...and they all lived happily ever after Part 1*

 

*...and they all lived happily ever after Part 1*

 

 

前置き>

 

*一応中学生設定だけど、ほとんど気にしなくて大丈夫です。

*ちなみに、世界w学園中等部(こんな名前ですが学ヘタじゃないです^^)全寮制。高校もそのまま、エスカレーター。

*全体的に少し重たいです。そういう空気が苦手な方はお逃げください。

 

<中心人物>

 

本田菊  … アーサーカークランドと付き合っている。

       優しく、強い子。

       元々、人付き合いは得意な方ではなかったがアーサーと付き合ってからは少し              

       ずつ、得意になってきたよう。(陰で努力するタイプ)

 

アーサー・カークランド … 菊と付き合っている。

              少々、喧嘩腰だったりするのでトラブルに巻き込まれる事も  

              時々…。

              菊と付き合ってからは大分柔らかくなった人。

              根は優しい、恋人思い。  

 

 

という事で、この2人が物語の中心にいます。

 

必ず最後に愛は勝つ。

 

そんな話しです。嘘です、真面目です。

 

次の文から本文です。

 ↓            

   




              

こんなに一つのことで運命が変わるなんて思ってもいなかった。

 

「…白血病…ですか」

 

はじめはカゼかと思っていたのだがそれは白血病の症状だったらしい。

話を聞けば少しどこかにぶつけただけで内出血をして、それが痛くないのもそうらしい。

私は幸い転ぶことが無く分からなかったのだが、一度傷が出来ると血が止まりにくいこともあるらしい。

語尾の最後に「らしい」とつくのは私がまだ自分が白血病だという実感が無いからだ。

そのせいか、病のことを聞いても私は泣かなかった。

「あぁ、そうでしたか」なんて反応をしながら、でもそんな中頭の中ではいろいろずっと考えていた。

 

このまま出来る所までは周りには黙っておこうか。

だからと言ってこのままいわなければ周りに迷惑がかかってしまう。

そうだ、

アーサーさんには?

彼にはどうつたえればいいの?

 

考えていたら何となく実感がわいてきてポツリと言葉が漏れた。

 

「どうすればいいんでしょう?」

 

それは私の率直な気持ちだった。

 

 

                   * * *

 

 

リリリンッ と電話のベルが軽やかに鳴る。

私は、まだ眠っている彼を起こさないように早歩きで電話に出る。

   

「はい」

   

彼も眠っているし少し控えめにそう答えると相手は私に確認をとるようにして来た。

   

「本田か?朝から悪い」

   

今日は、先生の事情かなにかで授業が10時半からで、今時計を見てももう9時に針は周りそうなのだが生真面目なルートさんは、気を使っているらしい。

   

「大丈夫です。さっきシャワー浴びてたところですし」

   

私がそういうと何故かルートさんは黙ってしまい、私も黙っているとルートさんが申し訳なさそうに言う。

   

「…いや、悪かった」

   

「え?」

   

私にはよく分からなかった。だから、思わず聞き返してしまった。

 

「…あ、だからだな。昨夜、遅くまでカークランドといろいろしていたなら―…」

 

その言葉を聞いて一気に顔が熱くなってきてルートさんの言葉を遮った。

 

「ち違いますよっ。別に何も無いですっっ」

 

その言葉を聞いて「なら、いいのだが」と言ってから少し口をつぐんで本題を口にした。

 

「一つ聞きたいのだが、本当に治療しないのか?…今からなら十分治る確率はあるのだろう?」

 

そういわれて私は何もいえなくなった。

私だって、治したくないわけじゃない。

でも、抗がん剤での治療はしたくない。

それに私のタイプは治りにくいと言うことも知ったから。

 

「…いいんです、私はもう決めたから」

 

アーサーさんを自分の傍から遠ざけることも。

そして、私が死ぬまでもう彼と会わない覚悟も。

 

「そうか」

「もう…良いですね。切りますよ」

 

出来ればこの話はしたくない。

せっかく決めた覚悟が鈍ってしまいそうだから。

 

だから、ルートさんが「あぁ」と言ったのを聞いて私から電話を切った。

 

 

小さくため息を吐いてふと後ろを向くと寝ぐせ頭をぐしゃぐしゃやってベットに座っている彼が見えた。

少し眩しい朝の光が彼を綺麗に照らし出している。私はその姿が好きだ。

それを見ながら私は、「せっかく覚悟を決めたんだ、言うなら今しかない」そう思った。

覚悟が揺らぐ前に早く、早くと私は小さく息を吸って彼に話しかけた。

 

「…アーサーさん」

「ん?」

 

(あぁ、もうなんで?)

今から私が酷い嘘を言おうとしているのが余計にいけない事に思えてしまう。

貴方がそんなに優しく笑うから。

でも、でもね。笑わないで聞いてくださいね。

私だって、もう後戻り出来ないから。

 

彼にばれない様に小さく息を吸って。

 

 

「…私と…別れましょう。アーサーさん……私は貴方がいやになったんです」

 

 

「は?」

 

やっぱり、思ったとおりの反応だった。

彼は手を止めて口をあんぐりとあけている。

意味が分からないと言うように。

 

「今言ったとおりです、別れましょう」

 

「…菊?」

彼の顔は酷く傷ついたような顔をしていて私のほうが泣きそうになってくる。

たぶん今声を出したら私はすぐにでも泣いてしまうだろう。

分かっていたけど私は声を出してしまった。

 

もうこれを逃したら私から彼に話しかけることは出来ないだろうから。

 

「さよなら…。アーサーさん…」

 

案の定私の頬には流れた涙が跡を作った。

 

「菊…いきなりなんで、お前に何かしたか?それに…何で別れようって言ったお前のほうがそんなに苦しい顔してるんだよ。泣いてるんだよ」

 

こんなときまで優しい彼は私に気を使ってくれる。

 

貴方は優しい。

とても、とても。

 

「貴方は何もしていませんよ。私の勝手な都合です…どうぞ私のことは忘れて…」

 

もう制服に着替えていた私は鞄を持ってその場を駆け出した。

しかし、彼が私の腕を引き、そのまま引き止めた。

私は振り返ることなんて出来るはずも無く…。

 

「菊、行くなって。せめて理由だけでも―…」

 

私はその手を、愛しい人への想いを、振り払った。

 

「ごめんなさい。アーサーさん…さようなら…ですよ」

 

 

 

 

もうだめなんですよ、アーサーさん。

私は傍にいちゃいけないんですよ。

 

そう思って私は部屋を出た。

 

 

 

 

走って、はしって…。

 

少し後ろを見ても貴方は見えなくて、

当たり前、自分から言ったんだから貴方が来ないのは当たり前で。

分かってたけど、わかってたけど

だけど、

貴方はとても優しいから少しでも私は期待したんですよ。

心の隅で、少しだけ。

 

 

 

私はなるべくゆっくり、でも彼が追いつかない程度の速さのまま教室に向かった。

歩いている間に乾いた頬にほっとしつつもどこか切なくなりながら。

 

 

本当は、追いかけていつもみたいに抱きしめて欲しかったんですよ。

 

アーサーさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝のことがグルグルしているままで俺は菊を追って急いで教室に行った。

俺には何で彼があんなことを言ったのかなんて丸で見当がつかないからただイライラが増えていくだけだ。

 

「何でなんだよ…菊…」

 

そんなことを呟きながらチラリと彼を見るといつも通り…に見えるがどこか具合の悪そうな彼が居る。

いつもの様に窓際の席で頬杖をついて空を眺めていた。

少し心配になって彼を見ていると横から話しかけられた。

 

「カークランド」

「あ?何だよ」

 

こんなときにうるせーな、なんて思って振り返ると菊の兄、王耀が居た。

その顔はいつもの表情ではなくどこか悲しそうだった。

 

「ちょっと来るよろし。…その様子じゃ菊には理由聞けてねぇみてぇあるからな」

 

その言葉でさっき思ったことは忘れることにする。

でも口から出てきたのはまだ機嫌の悪そうな声。

 

「理由…知ってんのか?」

 

それにも王耀は表情を変えることなく続ける。

 

「我は菊の兄あるよ?知らねぇわけねぇある」

 

(じゃぁ何でお前が教えてくれないんだよ)

と始めは思ったけど言いづらい事なのかも知れない、と無理やり思い込む。

 

無言で背を向けて歩き出した王耀に急いで席から立ってついて行くと目の前に居たのは腐れ縁の男だった。

ただでさえ少し機嫌の悪いところだったから思わず口から、

 

「帰る」

 

なんて言葉が出たのだがそれを王耀が遮った。

 

「ちょっと待つよろし。お前こいつは菊の理由知ってるあるよ」

 

それを言われてさっきから思っていたことがついに口からこぼれた。

 

「立ったらお前に聞けば―…」

「無駄ね。われからは話すつもりねぇあるからな」

 

そう言われてしまえば不本意にもバカ髭の話を聞かなくてはならないじゃないか。

 

「っち、分かったよ。…フランシス教えろ」

 

空いている席にドカッと腰を下ろしてフランシスを見る。

さっきの話は大体聞いていたようで苦笑しながら「はいはい」と気の抜けたような返事を返してくる。

でもその表情も何故かすぐに曇って俺と目もあわせないまま話し始めた。

 

その内容は信じられないもの。本当に嘘みたいだ。

 

「菊ちゃんの事だけどね、菊ちゃん白血病なんだよ。それでも最初のほうで気が付けたから今からなら治る可能性も十分ある。…でも」

 

もうついていってないような頭で必死に状況把握しているけれど信じられない。

 

「でも?」

 

俺が何とか声を出して聞いた質問にフランシスは少し間を取って答えた。

 

「菊ちゃん治療したくないんだって」

 

さっき今からなら十分治るって言ったじゃねぇかよっ…。

何で菊は逃げてるんだよ…。

菊らしくない。

 

「なんで」

「俺も説得したけどダメだった。…とすればアーサーお前しか居ないと思うよ」

 

いきなり言われたってわかんねぇって…すぐこんな大きな事を噛み砕けるわけがない。

大切な人を失うかもしれないのに。

 

「俺が行くしかないんだろ?…でもさ、情けないけど一度に言われたって分かんないって」

 

俺がそんなネガティブな事を言っていたら王耀がいきなり俺に頭を下げてきた。

正直、かなり驚いた。

 

「カークランド、頼むあるっ!菊を説得してほしいある!

 

俺にこいつが頭を下げる事なんて初めてだったからどうしようもなく困ってしまい王耀に言う。

 

「…分かったよ、俺が説得する。…俺だってどうしてふったのかも聞きたいから」

 

立ち上がって少し歩き出すと背中をトンっと押された。

 

「ありがとうある、カークランド」

 

俺は「別にお前のためじゃねーよ」なんて自分でも可愛げのないような事を言って少し速度を速めた。

 

 

 

 

これからの未来を菊と向き合って一緒に生きていくためにもまず、俺が真実を受け入れなければいけないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

傍に行ってみると窓際の席で一人空を眺めている彼がいる。

ここまで来たのに気が付かないなんてそうとうボーっとしているのだろう。

そでからのぞく手には何故かあざがある。

 

「菊」

 

俺の声に反応して顔を上げまるで初めてあった時の様な無表情で見て一言言う。

 

「アーサーさん、別れるっていったでしょう?」

 

彼は、このまま俺が離れるとでも思ったのだろうか。

 

でもな、俺はそんなに潔い人間じゃないんだよ。

そんなのは、今まで一番俺の傍に居た菊がよく知っているだろう?

 

「…フランシスから聞いたよ」

 

菊を追いかけたせいでまだそこまで人は居ないが一応菊にだけ聞こえるように小さな声で話し続ける。

それに彼はばつが悪そうに下を向いた。

 

「菊の病気の事も、治療を受けないって言っていることも」

「…」

「何でなんだ?今からなら治るんだろう」

 

俺がそんな事を言っていると彼が口を開いた。

 

 

「こわいんですよ…。治療を受ければ私は貴方の好きな菊ではなくなるんですよ?貴方が、私がどんな姿になっても好きで居てくれる自信が―…」

 

彼がそこまで言うと俺は彼を抱きしめた。

腕の中にいる彼は驚いたのか身体を強張らせたがすぐにふっと力を抜いて俺のシャツのすそを少しだけ握る。

 

「ばか」

「アーサーさん?」

「ばかだよ、本当。俺がそれくらいで菊のこと嫌いになるとでも思ってわざわざ強がってまで俺をフったのかよ」

 

「本当にばかだな」もう一度言ったら菊が言い返してくる。

 

「…だって、抗がん剤の治療をしたら髪だって抜けてしまうし、貴方の前で吐いてしまう事だってあるんですよ?…それでもアーサーさん…貴方は私を好きと言えますか?私が私でなくなってもそれでも…」

 

菊の声は震えていた。

俺は別に平気なんだけど菊にとっては、病を背負った者にとっては、それは大変重要なのかもしれない。

 

だったら俺がすることはひとつだけ。

彼の気持ちを軽くする事。

そして、ちゃんと治療と向き合わせる事。

 

「菊よく聞け。俺は正直そんなの気にしない、髪の事が菊が気になるんだったら帽子をかぶっておけばいいし、

俺の前で吐く事を気にしてるんだったら無理そうな日は部屋に入んないから。もし吐いても、背中さするくらいは俺にだって出来るからさ、だから俺にも菊が背負ってるもの俺にも背負わせてくれ」

 

「……貴方は、いいんですね」

 

泣きそうな声でそういう彼の背を撫でて少しでも落ち着けるように思っていたことを言う。

 

「あぁ、病気は2人で治して菊を絶対幸せにする。それに、どんな菊でも全部俺の好きな菊だ」

 

言うなり菊は黙り込んでしまって、どうしたのかと見ていると顔をトマトみたいに赤くしている菊が見えた。

 

「…菊?」

「……うれしい……です」

 

消え入るようにそういう。

 

かわいい…。

 

それから少しお互いに黙っていると後ろから王耀の声と足跡がする。

どんだけ地獄耳なんだよ。とか思う。

 

「菊ー!!良かったある!やっと治療受けてくれるあるね!!

 

勢いよく走ってきた王耀に軽く突き飛ばされる。

菊を見てみると早速王耀に抱きしめられていた。

 

「王さん、苦しいですって…」

「嬉しいあるよ!!あともう少しこうして居たいあるっっ」

 

きつく抱きしめられて苦しそうな顔をしていたけど彼は幸せそうな顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思えば、これが心から菊が笑っているのは最後だったかも知れない。

 

 

 

 

 

ここから先は想像を絶するような、それこそ悪夢のような現実が待っていた。








 

 

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